クラフトビールと盆栽の日記@高知

地ビール協会認定・ビアテイスター、ビア&スピリッツ協会認定・ビアアドバイザーのブログ。 飲んだビールのメモ帳&趣味の盆栽の観察日記です。 ※ビアスタイルガイドラインに沿った評価はしていません。

2014年11月

スティルウォーター・アーティザナル・エールのクラシック・ラガー。



この醸造所は2009年にブライアン・ストルムグがメリーランド州のバルチモアに創業した。醸造所と言っても、醸造そのものは、開発したレシピに最適な醸造所を世界中から探し出して、そこに委託製造させている、いわゆるファントムブルワリーである。ちなみにファントムブルワリーとしてはミッケラーやトゥオールなどと肩を並べる知名度らしい。造るビールのスタイルは様々あるが、いずれも独創的であることを目標にしているとのこと。



さて、今回飲んだのはクラシック・ラガー。

色は明るい黄色でSRM値は3くらい。透明度は高い。グラスに注ぐと、恐らく酵母によるだろう粉っぽい刺激とパインのような香りを感じる。口に含むと、しっかりとしたカーボネーションを感じ、直後に酵母の風味と厚みのある苦みとを感じる。甘味はほとんどない。その後、苦みとうっすらとコクとを感じて消えていく。ラベルを見たときは華やかな感じかなと思ったが、けっこう質実剛健な感じだった。






















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この醸造所は2007年にクリス・ネムローウィルとジャック・ハリスがオレゴン州アストリアに創業した。社名は、醸造所の入っている「フォート・ジョージ」という名のビルにちなんでおり、2010年にはその隣にあるビルを購入してブルーパブを設けている。造るビールは常時8種類、季節限定品は約6種類あり、この他に数量限定品を出している。


さて、今回飲んだのは、3ウェイIPA。
フォートジョージ・ブルワリー、ボーンヤード・ブルーイング、ブロック15ブルーイングというオレゴン州内にある3つのブルワリーがコラボして造ったIPA。色は明るい黄色~黄金色の間くらいでSRM値だと4かな。透明度は少し高い。グラスに注ぐと、オレンジや熟したパインのような甘くシトラシーな香りが漂う。口に含むと、しっかりとしたコクと苦み、それらを支援するかのようにあるカーボネーションによるキレ感を感じ、シトラシーなフレーバーを感じる。その直後に再びホップの苦みとコクとがブワッと口内に溢れボディを感じさせるが、苦みとカーボネーションのおかげでスッとした印象で終わる。














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レゲント・ブルワリーのプレジデント。



この醸造所は1379年にチェコのトシェボニュで創業した。醸造所の名は、会計士から騎士になり、ボヘミア王国の摂政を経て無冠の国王にまで登りつめた人物に由来する。もともとは小さなタバーンだったが、年々高まる需要にこたえるため城にセラーを設けたり、レンガ造りの専用醸造所を設けるなどして大規模化しトレボンブルワリーとなって、後にレゲントブルワリーに改名。そして、幾度か持ち主が変わり、1999年にボヘミア・レゲントという持株会社の傘下に移って現在に至っている。



さて、今回飲んだのは、プレジデントというラガー。

色は少しくすんだ黄金色でSRM値は5くらい。透明度は少し低い。グラスに注ぐと、ほのかにモルトの甘くてコクのありそうな香りが漂う。口に含むと、カラメルのような少し濃いめのモルトの甘みを感じたと思ったら、すぐに苦みとキレ感を感じて強くなっていき、比較的強めの甘みに負けないように苦みとキレ感が仕事して爽快感を口内にもたらしている。スタイルとしてはメルツェンだろうか。


























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スタロプラメンのプレミアム・ラガー。



この醸造所は1869年にチェコのプラハにあるスミーホフ醸造所を買い取って設立された。1898年にオストラバー醸造所と1899年にブラニー醸造所を買収して3醸造所体制となる。第1次大戦後に3醸造所いずれも成長するが、特にスタロプラメン醸造所は1930年代までにチェコで最大規模の醸造所となった。第2次大戦後は国営企業となったが1992年にプラハブルワリーグループの傘下に入り、その後にバスの傘下に入って、現在はモルソン・クアーズの傘下にある。プラハでは第1位、チェコ国内では第2位の規模の醸造所となっている。ちなみに、スタロプラメン醸造所が経営するレストラン・パルラメントは、ドラマの「のだめカンタービレ」の撮影現場として使われた。



さて、今回飲んだのは、プレミアム・ラガー。

色はきれいな黄金色でSRM値は5~6の間くらい。透明度は高い。グラスに注ぐと、モルトの甘い香りと、ホップとモルトによるコクがありそうな香り、少しグラッシーな香りが漂う。口に含むと、恐らく細かいカーボネーションと苦みのシナジーによる爽快な冷気を感じ、しっかりとしたコクと、奥からじわじわと現れてくる苦みを感じる。その後、口内がスッとすると、長くうっすらとした苦みと、その裏でうっすらと甘みを残しながら消えていく。




























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九十九里オーシャンビールの、ヴァイツェン。



色は明るく薄い黄金色でSRM値は5くらい。透明度は高い。口に含むと、小麦のほんのり甘く香ばしい味と、爽快なカーボネーション、そして甘く爽快な香りを鼻孔で感じる。その直後、口内がスッとし、ほとんど感じない甘みと苦みを残して消える。



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エッティンガーブラウエライのエクスポルト。



この醸造所は、バイエルン州のエッティンゲンに、バイエルン公国王子専用の醸造所として1333年に設立されたそうだ。1731年に民間醸造所として独立すると生産規模を拡大するが、1956年にコルマー家の所有になると、いっそうその規模を拡大して、2005 年にドイツ国内ブランド別生産量で第1位となって、以後8年連続して首位の座を維持している。造るビールは約14種類あるが、いずれも低価格であることで知られており、本国では500ml瓶1本が日本円で約100円で売られているらしい。生産量1位を維持できる要因として、この低価格による大量販売があるのだろう。



さて、今回飲んだのは、エクスポルト。

色は明るい黄金色でSRM値は3~4の間くらい。透明度は高い。グラスに注ぐと、モルトのコクがありそうで甘い香りが漂う。口に含むと、モルトのけっこう甘い味と、その甘みを邪魔しないように存在しているホップの爽快な苦み、苦みの陰で苦みを支援するかのように仕事しているカーボネーションとを感じる。その直後に口内がスッとし、甘みと、それより少し弱く主張する苦みとが長く弱く続く。はじめは爽快な印象だったが、けっこう飲み応えもあり、いい感じに飲める。
























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ヤコブ・レイネンクーゲルス・ブルーイングの、ビッグエディ・ウィーヘビー・スコッチエール。



この醸造所は1867年にヤコブ・レイネンクーゲルとジョン・ミラーがウィスコンシン州のチッピワフォールに創業した。創業時から1970年代に入るまでは地元のみをターゲットに経営をしていたが、1970年代にライトビアがヒットすると販路を拡大し、アメリカ中西部をカバーするまでになった。そして1995年に同州のミルウォーキーにある10thストリートブルワリーを買収して2工場体制にすると、チッピワフォールでは量産品を、ミルウォーキーではウィーヘビーブランドなどの特定セグメント向け限定商品の生産を行うようになった。現在はSABミラーの傘下にある。



さて、今回飲んだのは、ビッグエディというブランドのウィーヘビー・スコッチエール。ミルウォーキーの10thストリートブルワリーで生産された一品だ。色は濃い目の銅色でSRM値だと25くらいだろうか。グラスに注ぐと、澄んだ氷のようなスッとしたアルコールの香りのなかに微かなスモーキー香を感じる。液温がぬるくなると甘酸っぱい香りがメインになる。口に含むと、かなり強めの酸味を感じたと思ったら、それが段々とマイルドになり、それに反比例して熟したチェリーのような甘酸っぱさや干しブドウのような甘みを感じるようになる。その直後、程良く存在感のあるアルコール感を感じるようになり、それがずっと続く。酸味とアルコール感に隠れて苦みを感じる。イイ感じに酔える。






















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ロストコースト・ブリューイングのインディカ・IPA。



この醸造所は1990年にバーバラ・グルームとウェンディー・ポウンドという女性2人がカリフォルニア州ユーリカに創業した(ちなみに、彼女たちがつくった醸造所は、その昔、秘密結社の集会所だったという面白い場所にある)。造るビールは様々あるが、いずれも女性独特の視点でつくられる苦みを抑えたバランスのいいものが多く、そのためか人気が爆発し、販路が限られているにも関わらず創業後22年で全米トップ50の生産量を達成するに至っている。近年は販路を拡大し、こうして国外に輸出されるようにもなっている。



さて、今回飲んだのは、インディカ・IPA。

色は橙色でSRM値は7前後くらい。透明度は低い。グラスに注ぐと、熟したパインやマンゴーのような甘い香りをメインに、その裏で微かにバナナのような香りが漂う。口に含むと、苦みとコクによる結構しっかりとしたボディを感じ、同時に香りに違わぬフルーティーな甘さも感じる。鼻孔にフルーティーな香りが抜ける。ファーストはフルボディだが、カーボネーションと苦み、それにフルーティーなフレーバーによって直ぐに軽やかな印象に代わり、イイ感じに飲み応えがありつつもドリンカブルになる。
























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アンカー・ブリューイングのビッグ・リーフ・メープル。



この醸造所は1854年にゴットリーブ・ブレクルが創業した。その後、1896年にイームスト・バルースとオットー・シェンケル・ジュニアが買収し、社名を現在のアンカー・ブリューイング・カンパニーに変更。さらにその後の1965年に廃業寸前の同社を、あの有名なフリッツ・メイタグが買収し、1975年に黒字転換させた。また、なんと言っても世界中にアンカーといえばスチームと言われるように、同社の代名詞ともなるアンカー・スチームを復活させ、滅んでいたスチームスタイルを再び世に広めた。現在の経営者は2010年4月よりキース・グレッガーとトニー・フォリオになっている。



さて、今回飲んだのは、ビッグ・リーフ・メープルという季節限定のレッドエール。

色は綺麗な銅色でSRM値は13前後か。透明度はやや高い。グラスに注ぐと、メープルシロップのような独特の甘い香りをメインに、その周りをホップによるだろうグラッシーな香りが覆って漂う。口に含むと、強めのカーボネーションと結構しっかりとした苦みがほど良く目立ち、直後に奥から甘みが現れてくるが、コクと、グレープフルーツのような苦みと微かな酸味がすぐに主張してきて長く余韻として残る。鼻孔を甘く香ばしい香りが抜ける。イイ感じにまったりとした甘い風味と良質な苦みを感じさせてくれるので、商品コンセプトである秋にぴったりな一品だ。




















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ワージーブリューイングのライトアウト・バニラクリーム・エクストラスタウト。



この醸造所はチャド・ケネディがオレゴン州ベンドに創業した。ケネディ氏は前職時(ローレルウッドブルワリー)に数々の賞を受賞した名ブルワーだったが、2011年に退職し、この醸造所を創業。現在はマネジメントに専念しているようで、醸造はヘッドブルワーであるダスティン・ケルナーが担当しているようだ。造るビールは、ペールエールやスタウトだけでなくケルシュやボックなど多岐に飛んでいる。醸造所の裏手にはホップの栽培施設や農園、ビアガーデンもあり、また2013年にはレストランを新設している。



さて、今回飲んだのは、ライトアウト・バニラクリーム・エクストラスタウト。

色は少し茶色がかった黒で、液の清濁度は高い模様。グラスに注ぐと、名に違わぬバニラとホイップクリームのような甘い香りがする。口に含むと、程良いカーボネーションを一瞬感じた直後に、かすかな酸味と、バニラクリームのようなまったりとした甘み、そして同程度の苦みを感じ、同時にバニラのような香りが鼻孔を抜け、かすかにオイリーな口当たりを感じる。その後、全体がじわっーと消えていき、苦みとバニラのような風味を微かに残しながら消えていく。
























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