高野山の福智院に重森三玲が作庭した庭があるので見てきました。


これらの庭は松尾大社とともに重森三玲が最後に手がけた遺作となる庭で、1973年に登仙庭と遊仙庭を、1975年に愛染庭を完成させています。と言っても、愛染庭の作庭途中に氏は亡くなっており、愛染庭は松尾大社とともに氏の亡き後に門人たちが完成させています。


遊仙庭。この庭は元々あった池を埋め立てて枯山水にした庭で、三方が正面になる中庭です。753式で白砂と赤砂そして苔の対比が目立ち、蓬莱深山をイメージさせる庭園でした。

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登仙庭。この庭は池の周囲の州浜を石とコンクリで作り、モダンなデザインになっています。池には鶴亀島が2つあり、その背後には大刈込の築山が。そして築山の上部には蓬莱式の石組み、そこから左手下部に向かって龍門爆があり、龍門爆が池と繋がるという形式になっています。

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愛染庭は、格子状に組まれた蔓石の敷石に赤砂と白砂を敷いて赤白格子模様にしている庭と、皐月で出来た築山連山の刈り込みに石組みを配して蓬莱神仙を表現した庭とで出来ています。重森三玲はこの庭に石組みと敷石を配して下山し、その翌年に亡くなりました。

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この日は宿坊に宿泊。というか、高野山にあるほとんどの庭は宿坊に泊まらないと見せてもらえない。福智院には温泉があるので最高でした。

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夕食朝食はもちろん精進料理。どの料理もかなり美味かった。

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